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【2020/02/22 01:33 】 |
第68話 終章3





「忘れないけどよ。あのさぁ、高杉」

相手を逃がさないよう銀時は高杉の両肩を手で掴む。

「なんで今日、鬼兵隊は真選組に乗りこんできたの?」

「……」

「手下ども動かす理由が解んないんだけど」

心持ち離れた肩が銀時の手に阻まれ、そのまま固まる。

高杉は饒舌を収めてピタリと黙っている。

「あんだけの人数を動員する正当な理由があったわけ?」

解ってて責める銀時の意地悪が炸裂する。

「実家には厄介にならないようにしてんのに、手下はたいした戦果もねーコトに動かしていいのかよ」

「……行きがかり上だ」

「へえ。そーなの」

笑い混じりに感心する。

「わざわざ敵地の屋根に兵隊登らせたのって、とくに大義もないことだったわけ。あ、もしかして頭(かしら)のイリュージョンの見物?」

「…」

「私情で兵隊動かしてんじゃねーよ」

銀時から笑いが消える。

「死人ケガ人出たら取り返しつかねぇとこだろ」

「…」

「オメーが過去なんか行かずココに潜りこむだけだってのは、あいつら知ってんのか?」

「一部の連中は承知だ」

高杉は息を吐く。

「鬼兵隊はネオ紅桜殲滅に動いていた。武市が町中でオメーを呼び止めたのもネオ紅桜寄生体を呼びこむ協力を願うためだ。こっちも寄生体の正体を掴んでいたわけじゃねェし、アレが行方知れずの身内かもしれねェ、そうなりゃ野放しにはできねェ。この手でカタつけなきゃならねーからな」

岡田似蔵。

生死不明の彼が未だに紅桜に捕らわれて暴れている、高杉はそう案じたのか。

「だがアレは俺たちの知己(ちき)じゃなかった。だからひとまずアレに用は無ぇ、真選組への置き土産にして俺たちは退いたのさ」

川辺で遭遇したとき、高杉は部下を退かせた。

その不機嫌な様子を見送っていて銀時は『岡田』の手に落ちたのだ。

「オメーを連れて歩く野郎のツラを見たとき、野郎がオメーを幕府から身を挺して護るつもりなのは一目で解った。そしてテメーも」

言いにくそうに言葉が切れる。

飲みこもうとするそれを銀時は問いただす。

「俺が、なに?」

高杉の襟を掴んでギュッと力をこめる。

「最後まで言えや、気になんだろーが」

「オメーと野郎には距離の無ぇ一体感があった」

一言ずつ絞るように押し出す。

「あの野郎がオメーの肌に触れたのは確かだ。言い訳は聞かねェ、俺にゃ分かる。オメーをモノにしてどんな敵軍だろうと一撃で仕留められるってツラしてる野郎を見りゃ、オメーが野郎に心傾けてるってのは容易に見てとれた」

「は?」

銀時は急いで記憶を辿る。

川辺で高杉と遭ったとき?

なに言ってんのコイツ。

いやそりゃ確かに疚(やま)しいことは皆無じゃねーけど。

「なっ…、なんか勘違いしてね? オレ土方君とは何もないからね?」

手を緩めて無意識に高杉の胸板を押しやる。

確かに迫られたことはある。

どっちか選べと言われ、乗りかかられて。

「その様子じゃ、あったんだろーが」

高杉の銀時を布団に押しつける力が強くなる。

隻眼が、責めるようにきつく睨んでいるのが思い浮かんで焦る。

「一度だけ聞かせろ。ヤツと何回くらい寝た?」

「………へっ?」

「ヤツとはどんな風にヤッた?満足したのか?」

「ンぁ?」

「真選組に肩入れしたくなるほどヤツぁ良かったのかよ?」

「なんで俺がヤッたことになってんだよ」

「とぼけんな。偽り吐かれんのが一番辛ぇ」

高杉が唇を触れさせてくる。

唇が熱い。

怒ってる気配、これは物騒な徴候。

「一度きりで忘れる。だから正直に明かせ」

「だからヤッてな…、ふぐっ!」

いきなり唇を塞がれた。

振り切ろうとしても逃がさない強さで思いのこもったキスをされる。

痛みを、激しさを覚悟していた唇に、しかしゆるやかな動きで求めるように触れてきて。

その切なさに銀時は力が抜ける。

「…ヤッてねェなら、あんな一線超えたような睦まじさで歩いてるわけねーだろが」

キスが頬に移る。

「野郎は完全にテメーのこと自分の所有物として見せびらかしてたぜ。テメーの肌も温(ぬく)もりも知ってるってツラしてよォ」

「温(ぬく)もり…? あぁ、そーいや!」

銀時は心の中でポンと手を打つ。

「膝枕したっけ」

「…ヒザマクラだァ?」

「つっても俺マガジン読んでたけどね。あ、思い出したわ。俺とアイツって婚前あつあつカップルに見えるように演技しろって言われてたんだ、ゴリラに」

言いながら銀時はひたすら動揺を押し隠す。

土方とは何回かキスを交わした。

ぽわんとして流されそうになったし。

高杉のことがなかったら関係を持っていたろう。

……いや、違うから。

これ浮気とかじゃないから。

「俺も人前ではアツアツに見えるよう努力してたし、アイツもしてた。だからじゃね?」

出るな、嫌な汗ェ!

「ソレもコレもいろんなヤツをおびき寄せるためだったんだよ、よかったなお前もコロッと騙されて。見え透いた芝居だったけど役に立ったんならヤッた甲斐があったわ」

「…テメー俺を舐めてんのか」

高杉の声が怒りを潜ませる。

「それだけで野郎があんな自信を漲らせるかよ」

「てっ、………テメーもいい加減にしろ」

銀時は声を落とす。

「俺はテメーに操を立ててたっつっただろーが。誰にもヤラせちゃいねーよ。土方君は無理矢理ヤるよーな人間じゃねェ。しまいにゃ怒るぜ」

「……抱けば判ることだからよォ」

高杉は唇の先端を軽く吸う。

「その前にテメーの口から聞いときたかっただけだ」

「んじゃ抱いてもらおうじゃねーの」

自分に触れる高杉の顔を手で探して触れる。

「テメーの身体で俺の無罪を確定して吠え面かけ」

多少、言ってないことはあるけども。

高杉が争点にしてるのはヤッたかヤラないかだし。

その点では潔白だし。

ペッティングだけならいいんじゃない?

銀時は余裕で高杉のヤキモチを包みこむ。

「まあオマエが心配すんのは分かるよ。そんだけ俺の演技が完璧だったってことだよな、ウン」

「……戦(いくさ)のあとオメーの行方が知れなくなって、初めてテメーが大切だと。自分のことを差し置いてもお前のために動くと決めた」

「それが愛だろが」

シャラッと返す。

流れでツッコんでしまってから自分のセリフに固まる。

「んな、なに言ってんのオレ!? んでなに言ってんのオマエーッ!!」

「解らねェ。こいつを愛って言っていいのかも解らねェ」

ついばんだまま唇の尖りを舌でなぞってくる。

「俺りゃ不慣れでな」

「んっ…、はぅ…っ」

高杉の口調は真摯だ。

本心から言っている言葉だろう。

しかし接吻は不慣れなんてもんじゃない。

確実に銀時が感じるやり方でキス責めにしてくる。

身体は早くも高杉を欲しがって腰がくねってしまう。

それを隠すような、隠しきらないような、どっちでもいいような動きで高杉に縋る。

高杉の身体だってとっくに反応している。

前だったらこの段階で着物を剥がれて押しこまれていた。

薬で変化した身体には、成人した高杉の堅くて重い骨格は圧迫感があって。

正直押さえこまれたら強姦される。

この柔い身体でうまく躱せる自信がない。

その微かな恐怖が高杉への募る恋心をますます煽り立てて。

無条件に高杉が欲しいと思った。

「ハァ、たかすぎ……もぅ…、」

「俺は…俺なりにテメーを大切にしてたんだよ、お前がその気になるまで…手ぇ出すまいってな」

言いながら白い襟を引き開けようとする。

なのにさきほどから帯に阻まれて花嫁衣裳は鎖骨の半分くらいしか開かない。

「テメーはいくら粉かけてもはぐらかすばかり。その気が無ぇと思うじゃねーか。そこへきて真選組の副長とはあの見せつけっぷり。俺を拒んで土方に靡(なび)いたと思うだろが」

「コナ…かけたって、…いつだよ…?」

高杉の手は帯をまさぐっている。

「口説かれた覚え無いんですけど」

「テメーにとっちゃその程度ってこった。俺りゃな、自信なんかねェのさ。いつテメーに見限られるか気が気じゃなかった」

「そんな自信たっぷりに言われても」

「土方といるテメーを見て、所詮オレの芸当は付け焼刃にすぎねぇってオメーに言われた気がした。いくらオメーを大切にしたいと思っても、俺がそんな気障な真似するのはちゃんちゃらおかしいってな」

「いや『気障(キザ)』の定義がおかしいんだけど」

「お前はあんな、味方のために命張るような、…銀時、テメーのためなら面目を潰しても甘んじて泥をかぶるような優しい野郎が好きなんだろう?」

「そりゃなぁ…、でもその表現で俺が思い浮かべるのは別の野郎だけどね」

「だからあのネオの寄生体はあの場に放置した。真選組にゃ止められねェのを承知の上でだ。どうなろうと構わねェ、止めてやる義理はねェ。むしろ野郎が潰されちまえばいいとな」

「ああ…そうなんだ」

『岡田』は高杉の持っていた装置でしか制止できなかった。

しかしやたら怒りまくっていた高杉は銀時に罵声を浴びせて帰っていった。

なにあれ。嫉妬だったわけ?

こいつバカ?

「あー…考えたら腹立ってきた」

「腹立たしいのはこっちだ」

高杉は銀時の背中に腕を回して帯を解く。

「土方が潰れるどころか銀時、テメーが拉致られやがって。指咥えて奪られちまう真選組もアレだが捕まるテメーもテメーだ。もういっそ見捨てようかと思ったがよ」

シュ、シュと帯を引き抜き、まとめて放る。

「しがない寄生体がテメーに何するか分かりきっていたからな。テメーを助けられるのは俺だけ、そう考えたらもう一度テメーの気の抜けたツラぁ見たくなってなァ」

「それで…、んぁ、ッ…ヘリで信州まで助けにきたわけ?」

「動かしたのはほんの数名、ネオ紅桜回収は鬼兵隊の急務。寄生体ひとつを回収にあの動員なら私用で組織を振り回したことにはならねェ」

「はっ…ぁ、たかすぎっ、あの…、念のため聞くけど…」

腰紐をほどかれ、引き抜かれると銀時は唇を噛む。

「おれ、……オレの体って、そのォ…、」

「承知してるぜ?」

乗りかかったまま、銀時の上で高杉が笑う。

「薬で変わっちまったんだろ?」

「そ、それがですね、オメーの思ってるのと違うってーか…」

「安心しろ、分かってる。違うことなんざ無ぇよ」

帯をなくし緩みきった着物の襟を高杉が丁寧に掴む。

素肌の胸が高杉の目に露わになるのも時間の問題。

「なにを分かってるってんだよ、つか、あんまビックリされるとこっちもバツ悪いってーか…」

「この身体のどこに驚くとこがあるってんだ?」

白い打掛の襟をつかんで遠慮なく花嫁衣裳を襦袢ごと開かせる。

「!!」

銀時は観念して目を瞑る。

そういやここって明るいの?暗いの?

高杉の目に、どれだけ見えるんだろう…?

ぽと、ぽと、と柔らかいものが襦袢の合間から落ちて転がる。

胸のふくらみを演出するための柔らかな詰め物。

身体の線をごまかすために丸めて細工した手拭い。

そして高杉の視界に晒されたのは、銀時の育ち盛りの頃そのままの柔軟でしっとりした少年らしい体つき。

のびきらない肢体に、それでも手応えのある筋肉がうっすらと乗り。

なめらかな肌は弾力があって、むしゃぶりつきたくなるほど肉感的な光沢をたたえ。

下半身は覆われていたが、その体型だけで一目瞭然。

女性ではありえない形と、堅い骨組みは、高杉の知っていた若い雄 ─── 在りし日の白夜叉の体躯そのものだった。


「ええーと、つまり…!」

絶句している高杉の下から逃げようと銀時は、おもむろにもがき始める。

「ぜんぜんオンナじゃねーんだよ、花嫁のカッコして化けてただけで! 騙すつもりじゃねーッてか、騙される方が悪ぃだろ、どっからどう見てもオトコなんだからよ!」

もう胸を隠すしぐさもなしに足をあげて逃走を図る。

「俺も知らなかったんだよ、てっきりアレだと思ってたのに、俺が飲まされたのはオンナになる薬じゃなくて…、」

「若返りの妙薬だ」

高杉が言葉を掬う。

「なにをバタバタしてんだ? 委細存じあげてるって言ってんだろうが。俺りゃァ…」

銀時の腕を掴んで引き戻し、その乳白色の胸に手掌を当てる。

「この綺麗な身体に見惚れてただけだ」

「んぇ…!?」

銀時は動きを止めて高杉を窺う。

「驚いて声も出なかったんじゃねーの?」

「バカか。お前が昔の体形に戻っただけってのはパッと見で分かる。ヅラも承知してたぜ、お前が花嫁衣裳をかぶってるだけだってのはよォ」

「……マジでか。けっこうオンナになりきってたのに」

「オンナになりきってるヤツは野郎の首に股ひろげて絡みついたりしねェな」

「手が使えなかったんだよ。てか、なんなのアイツ!」

「藤達か?」

「違う、オマエの部下!」

銀時は本気で機嫌を悪くする。

「ムネとか足とかガチで触手入れてきたんだけどッ!まったく空気読まずにベロベロしやがってよォ!」

声が完全に怒っている。

「アイツといい花粉症野郎といい、テメーの部下ってどうなってんの? テメーの大ファン? 揃いも揃って俺が気に食わねーってか? ざけんな、テメーらごときが俺の恋路を邪魔できっかよ。ああいう野郎には身の程を教えてやらなきゃな、ああでも俺いま目が見えないから、ついうっかり手がすべって刃物が飛んでって偶然クビ落としちゃうかもしれねーわ」

「堪忍してくれ」

高杉が居心地悪そうに告げる。

「そりゃァ俺の咎(とが)だ」

「…は?」

「オメーの言うとおりなのさ。今日の出動に際して奴等に責められた。私用で兵を動かすつもりかとな。だから俺りゃ…こりゃ私情は挟んでねェ、ネオ紅桜を殲滅する鬼兵隊の仕事の一貫だと。奴等にはそう説明した」

「ふーん。そーなの」

「鬼兵隊の存在意義は腐った世を破砕すること。それ以外は兵を動かすことまかりならねェ、奴等はそう言った。ネオ紅桜寄生体を解除するだけなら俺抜きの数人で足りるとな。だが今日は藤達に仕置きしながら真選組を牽制するもってこいの舞台、それなりの人数が要る。俺も出る。そう言うと鼻で笑いやがった」

高杉はいまいましそうに言葉を続ける。

「俺の目的は寄生体でも藤達でも真選組でもない。ただ白夜叉を奪られたくない一心であろう、私情以外の何物でもなかろうとな」

「ぶぶっ!」

思わず吹き出す。

「分かってんじゃねーの!」

「だから俺りゃ突っ撥ねた。俺はただ鬼兵隊の仕事を淡々とこなすだけだ。銀時に気を取られたりしねェからそのつもりでやれと。そうしたら」

高杉は苦り切った声で告げる。

「俺に当てつけてきやがった。見えるようにお前の身体を弄って俺を挑発したのよ。取り繕ってねェで本心を見せろとな。俺りゃ堪えてたんだが…」

「つい、飛びこんできて本心を丸出しにしちまった?」

「……フッ」

楽しげに笑う。

「報復はしたぜ。少しは慌てたろうよ。俺がお前と消えちまうなんてェ行き当たりばったりな展開は予想もしてなかっただろうからな」

「え。あれアドリブだったの」

「まァな。本当は万斉がお前を抱えたまま過去へ吹き飛ばされるって方向で狂言を締める予定だった。その方が無理ねェだろ、俺が時間を行き来するより」

「そりゃそうだけど」

「源外のじいさんとも打ち合わせてあった。俺が『戦場(いくさば)の風』という言葉を使ったら電磁波を止めろとな」

「あ、そっか。俺連れてたら電磁波の檻を超えられないから」

銀時が気づく。

「なに? ジジイも仕掛け人として一枚噛んでるわけ? オイオイ、大丈夫かよ。バレたらジイさん真選組に捕まっちまわね?」

「その心配は無ぇな。今回、真選組には手を打ってある」

見廻組局長が。

近藤の望ましくない動きは封じ込めてくれるはず。

佐々木異三郎はよく動いてくれた。

高杉の注文に応えて真選組をサポートし、ネオ紅桜殲滅と銀時奪還を滞りなく遂げさせてくれた。

この密約は口外できない。

たとえ銀時が相手であっても。

「そういうわけで銀時。万斉がテメーにやったのは俺への嫌がらせだ。俺が頭下げてすまねェなら万斉を呼んで謝罪させる」

「今はいーわ、そのうちテメーでシメとくから」

銀時は小さく笑う。

「だいたいよォ、大将がじきじきに謝ってんなら話は終(しま)いだろーが」

「…すまねェ」

「ん。好きだぜ、たかすぎ…」

「ありがとよ、銀時…」

「…で」

銀時は高杉の下腹をなぞる。

「さっきから全然萎(しぼ)まねぇコイツは、俺がオトコだろーが、ガキだろーが、女装してよーが、どうでもいいわけ?」

 


続く


 

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【2012/11/17 15:31 】 | 高銀小説・1話~完結・通し読み | 有り難いご意見(0)
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