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置き石を踏んで斜面を駆ける。 目当てのせせらぎは草の中、赤茶けた地面を這うように流れている。 「冷て」 腰をかがめて水の流れに両手をつっこむ。 そのまま地面を撫でるように浅い流れで手を清める。 「もーッ…臭ぇったらねぇよ、汚ねぇつーかこのまんまじゃ病気んなるだろコレ」 ゴッシゴッシ手をこする。 指の間のぬめりが落ちなくて桶からすり取った手拭いを水の中に浸す。 布を爪のまわり、指の両側、関節の皺や手首のぐるりにこすりつけて、そこらにこびりついたまま乾いてしまった汚れを剥がそうとする。 気分は上々。 メシは食った。 あいつも居る。 早く行きてェ、それだけ。 「ふん、ふん」 鼻唄も出る。 汚れは落ちていく。 手が綺麗になったら白い単衣をパパッと脱ぐ。 桶にためた水に頭をつっこんで髪を掻き回す。 ついでに顔も洗う。 冷たいのは気にならない。 なかなか汚れが落ちなくて手間取る作業がもどかしい。 やっと気の済むまで髪を流して、あとは体を水拭きするだけ。 髪から水滴をボタボタ垂らしながら銀時は絞った手拭いで何度も身体を拭う。 合間に頭を振り回して、手拭いで掻き上げているうちに髪から水が垂れなくなってくる。 「ハイハイ、上出来~」 気になるところを念入りに洗った。 ようやく綺麗に仕上げると、下帯はつけず、単衣だけ羽織い直して草履をつっかけた。 今度は坂を駆け上がる。 桶と手拭いを抱えて石や根っこを足がかりに館に戻る。 さっき解いた具足の脇に桶を放り、一目散に戸を潜って暗い屋内へ飛び込んでいく。 「た~か~す~ぎ~ィィィィィ!!」 踏み段をあがって板敷きの廊下へ足をかける。 そのときには今、自分がもっとも必要としている男を各部屋のすみずみまで視線が探し、抑えきれない欲求をこめて喉が館中に呼ばわっている。 バタバタバタ、と板を踏みならして駆け回る、そんな銀時を咎める者も今更驚く者もいない。 白夜叉の好物は、むしゃぶりついて食らいたいモノは、いつだって変わらない。 「なあなあ、高杉はッ?」 居そうなところの襖をズズッと開けては首をつっこむ。 ゴロ寝して寛いでる仲間たちが笑い顔で首を振る。 「高の字は、まだ仕事なんじゃねーのかァ」 「終わってるつーの。さっき見たんだよ」 「じゃあ寝てんだろ。けっこうオレらキツかったから今日」 「んん、ありがと!」 「他の野郎とシケこんでたらどうする?」 「んぁ~?」 銀時はからかいに面倒くさそうに眉を寄せる。 「ソイツ蹴り出してオレが食う。ありえないケド!」 言い掛けのまま駆けだし、最後の方は廊下のかなたから聞こえてきた。 年の近い仲間たちは不機嫌な白夜叉の拗ねた口調に腹を抱えて笑う。 「たかすぎッ!オレの、オレだけのオマエェェェ!!」 バィィン、と襖を開いた。 そこに目当ての男がいた。 布団に寝転がっている。 寝転がってはいるが寝てはいない。 無駄に冴え渡った瞳がこちらを見ている。 一人きりで、簡素な単衣で、その裾から足を見せたまま、半分起きあがって銀時を迎えている。 そのはだけた襟からのぞく胸、肩、腕の、高杉の裸体を着物の下でつなぐラインを紅い瞳が補完する。 もう視界は高杉だけで一杯になる。 他に何組か、布団や畳の上で欲を絡めあい、肉を交えて喘いでいる知った顔がいたが、大部屋の寝床ではいつもこんな風に昼寝したり抱き合ったりしていたから、彼らは一瞬で銀時の意識から消えた。 「たかすぎッたかすぎッたかすぎッ!!」 「銀時、てめェッ…」 鋭い両眼で睨まれた。 高杉が腕を引いて倒したのか、銀時からその腕に飛び込んでいったのか判然としなかった。 いずれにしろ二人は次の瞬間には抱き合い、足を絡めあい、布団の上に転がって相手の肩から着物を剥ぎ取っていた。 「ん…、ふあッ…、ぁあんんっ…!」 「…うッ、んん…」 唇を合わせるより、相手の口を思う存分吸い上げようと、口と口とが競争する。 キスより早く舌先が絡み、開けたままの口の間で相手の味をレロレロ舐め合う。 銀時がそれに夢中になってる間に体勢をキメられ布団に押しつけられた。 高杉の拳が銀髪を握り込んで乱暴に顔を上向かせる。 「んがぁ…っ、たかす…っ…!」 「なにしてんだ、テメェ」 銀時のしっとりした首すじに歯を立てる。 同時に手は、銀時の剥きだしにされた胸の上を滑り、捕らえた乳首をやわらかく揉みこむ。 「ジらして俺を殺す気か?」 「は、ァッ…ッ、んッ!」 「テメェのせいで俺りゃもうこんなだ。今すぐ責任とってもらうぜ」 成長して硬くなったものを銀時の下肢に押しつけ、腰を突き動かす。 「あっ…、」 熱く立ちあがる存在感に銀時の熱も一気に上がる。 コレが自分のキモチいいのを、もっとキモチよくしてくれる。 身体の中から甘く蕩かせて、強烈な最高潮の歓喜まで肉の快感を突き上げてくれる。 「欲しッ、たかすぎ…っ、」 自分から足を開いて高杉の身体をギュッと掴んで引き寄せる。 その中心で息づく銀時の男性器を無造作に握りこまれる。 「んぁああっ…!」 先端を高杉の親指がグリグリ捏ね、なんの容赦もない爪が尿道口を割り開く。 「い、痛ァァ、…やっ、…はぁっ、」 「遅せぇ」 爪を立てて何度も先端をえぐられる。 とろっ…と熱い雫が、先端に盛り上がる。 「俺りゃもうとっくにテメェん中に入りてぇんだ」 丁寧に裏筋をしごかれ、珠を鷲掴みにされながら乳首を吸われ、銀時はうまく息が継げないまま高杉の手で次々と快楽を送り込まれていく。 「さっさとその気んなれよ銀時ィ…」 「あっ…、あぁぅっ…!」 立てた膝をさらに割り開かれ、後ろに指の腹が触れて性急に押し込まれる。 透明な液が先端からとろとろと零れ落ちる。 高杉の指が根本まで入る。 異物感と痛み。 犯される恐怖に身体が固まる。 そんなことを高杉が気に留めるはずもなくて。 ただ自身をそこへ収めることしか考えてない眼はギラついて。 怖ろしいはずなのに自分の体内はどんどん熱く痺れていって。 指で中を掻き回されるときには、もう腰がそれに合わせて揺れていて。 「あっ、あっ、……は、ぅああッ…!」 覚えられた一点を掬われ、高杉の指で弾くように押し込まれる。 それだけで全身に力が入り、性器から白濁がダラダラあふれ出す。 頭の中が真っ白になって腰がとろけて砕けそうになる。 「銀時ィ…ホラ、言えよ」 高杉の魅惑的な瞳が笑いかける。 「テメェの欲しいものはなんだ?」 指が抜かれる。 熱い、硬い、反り返ったモノが、ヒクついて欲しがる部分に押し当てられる。 「どこに、なにが欲しい?」 視界一杯になった高杉の唇が目の前で動く。 言ってみろ。 そう告げて身をかがめ、キスを下へ這わせて乳首を唇で弄ぶ。 銀時に言わせようとしながら、それ以上に高杉が眼の色を変えて欲情している。 高杉が、銀時(じぶん)を欲しがってねだっている。 それに満足して唇が笑う。 「んっ…、」 教えこまれた快楽の部分に疼きが絶え間なく、甘いうねりとなって流れ込む。 腰の揺れがとまらない。 「…っ、くぅ…ッ!」 声がためらう。 けどコレさえ言えば、ひとつになって二人だけの快楽へ同時に弾け飛べる。 「たっ…、かすぎが…、オレん中に、欲しっ…あッ、…ぅあぁアァーッ!」 なかまで、奧の奧まで。 高杉で、いっぱい。 「はっ、ぁっ……、キモチいっ…!」 こらえるように切ない高杉の顔を気分よく眺めながら。 我慢できない腰の揺れを高杉の肉棒に任せて。 さんざ助走をためこんで、高く高く飛べる踏みきりのときを身体でまさぐって。 「たかすぎッ…もう、いくっ…!」 「出せよ銀時。コイツをテメェの中に、たっぷり注いでやらァ」 耳元で汗まみれの高杉が囁く。 囁いた高杉の声が別の男のそれに変わる。 「このまま俺の腕の中で溶けちまえばいいだろ?オメェは俺の、真選組のモンだ。誰にもやらねぇ…」 その声は自分を愛おしそうに抱き締めながら万事屋、と呼びかけた。
「………エ?」 銀時は白濁をトイレットペーパーで受け止めたまま顔をあげた。 急速に熱の下がっていく身体。 なんだ今の。 最後になんかすり替わった。 「あ~……」 手早く処理してトイレの中へ水と一緒に流す。 ヘンなの出てきた。 勝手に誰かが頭ん中の映像を編集しやがった。 ボリボリと頭の後ろを掻きながら個室を出る。 「んじゃァ…戻るか。仕方ねぇ」 厠の中にも外にも人の気配はない。
着流しのあわせを軽く直しながら銀時は屯所の一室へ足を向けた。 PR |
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